会社勤務をしていた頃は毎年受診していた健康診断。退職後、受けていますか?
健康診断はなぜ必要? 何がわかる?
地域密着型医院として多くの方を診察している豊洲医院 院長 稲田香里先生にお話を伺いました。
受診券送られてきましたか?
江東区在住で、40歳以上となる方で、江東区国民健康保険加入者、後期高齢者医療制度加入者には、毎年「受診券」及び質問票等の入ったみどり色の封筒が送られてきます。
無料で健康診査を受診できるご案内ですが、持病等があって当病院に通院されている方の中にも、気づかずに開封しないまま、ほおっておいたり、紛失してしまったと受診されない方もいます。ご自分の健康状態に目を向けるきっかけにもなりますので、是非受診しましょう。紛失してしまった方には再発行してもらえます。
どのような検査をするの?
原則として全員に実施する項目は、
問診(既往歴、自覚症状、他覚症状)
身体計測(身長、体重、腹囲※75歳以上の方は腹囲を省略可)
理学的検査(視診、打診、聴診、触診)
血圧測定
尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)
血液検査(貧血、血中脂質、肝機能、血糖、血清アルブミン〔栄養状態〕、尿酸、血清クレアチニン※eGFRによる腎機能の評価含む)
心電図検査
胸部エックス線検査(65歳以上の方は、法に基づく結核定期健康診断(結核の早期発見・まん延防止)を兼ねています。
また、医師が必要と認めた場合に実施する項目として、
眼底検査(健康診査実施医療機関で実施、もしくは他の眼科医で検査実施する場合があります。)があります。
健康診査は必要?
最近では、食生活の変化や運動不足によって、糖尿病や高脂血症、高血圧といった生活習慣病が問題になっています。これらの病気は、症状が出ないため、なかなか自分では気づかないものです。
「なんとなく調子が悪い」「最近すぐ疲れる」などと思って病院に行ったときには、病状が進行している場合も少なくありません。
健康診査は自覚症状が現れる前に、生活習慣病等をチェックするいい機会になります。自分では気づいていない病気を早期発見できれば、病気の進行を食い止め、治療によって治すことも可能になります。健康診査の目的は、病気の早期発見・治療にあります。
高齢者用肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンの接種
予防接種法施行令の改正により、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種が法定の定期予防接種になりました。このワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐためのもので、接種費用の一部を負担してもらえます。
また、50歳以上の区民に対し、帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成も開始されます。
帯状疱疹による発疹は、ピリピリ、チクチクするような激しい痛みを伴い、入院治療を必要とされる方も多くいます。帯状疱疹の発症率は50代で急上昇し、ピークが60代から70代となっています。
人生100年時代。健康診査、ワクチン接種をして予防できる病気は予防しましょう。毎日を元気に楽しく過ごすために、お手伝いいたします。
アドバイス
豊洲医院
院長
稲田香里先生