秋の訪れとともに、優しいピンクや白の花を咲かせるコスモス。その風に揺れる姿は、多くの人々に秋の風情を感じさせます。日本では「秋桜(あきざくら)」という漢字が当てられ、その美しい響きは、秋の景色と共に私たちの心に深く根付いています。
コスモスは「短日植物」と呼ばれ、日が短くなると花芽をつける特性を持っています。昼の時間が短くなると花を咲かせるため、連続した暗い時間が必要です。夜間に明るい環境ではうまく開花しません。都会の公園や街灯の明るい場所では、特にLED照明がコスモスの生育に影響を与え、花が咲かずに草丈だけが大きくなることがあります。
人も植物も自然のリズムを
近年、都市部では安全性の観点から夜間の照明が強化されています。これにより、コスモスなどの短日植物が自然なサイクルで成長できない状況が生まれています。コスモスが花を咲かせないと、当然ながら種もできず、次世代を残すことができなくなります。これは、都会における自然との共存の難しさを象徴しています。
人間もまた、自然のリズムに影響を受ける生き物です。昼夜逆転した生活や夜間の強い光は、私たちの体内リズムやホルモンバランスに影響を与えます。夜にしっかりと睡眠を取ることは、成長や健康を維持するために重要です。都会の光と秋風に揺れるコスモスの対比は、私たちに自然の大切さと、人間と植物が共に健康に生きるためのバランスについて考えさせてくれます。
現在、江東区内には区立公園などに82か所のコミュニティガーデンがあります。コスモスが咲いている公園を探してみてください。豊洲のマギーズ東京や都立木場公園の中地区にも、風に揺れるコスモスを見つけられると思います。道路沿いにキバナコスモスも見かけますよ。
アドバイス
コミュニティガーデン
アンバサダー
東方 陽子さん