新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行するのでは? という心配なニュースを、新聞やテレビでご覧になった方も多いことでしょう。同時に感染したらどうなる? 受診できる? 予防は?
地域密着型医院として多くの方を診察している豊洲医院 院長 稲田香里先生にお話を伺いました。
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザが同時流行
一時期収まりつつあった新型コロナの新規感染者。冬が近づき、全国的に増加に転じ、第8波発生の恐れが高まっているとされています。
それに加え、季節性のインフルエンザは、過去2年間大きな流行がなかったので、ウイルスにさらされていない人が多く、この冬、同時流行が心配されています。
実際、日本と季節が反対の南半球のオーストラリアでは、寒い時期に、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザが同時流行し、話題となりました。
感染が拡大する前にワクチン接種を
現在、オミクロン株にも対応した新型コロナワクチンの接種が行われています。 江東区でも4回目の接種が終了した方に、5回目の接種券が届き始めています。
現在接種されているワクチン(BA4―5タイプ ファイザー製)は、従来型ワクチンを上回る重症化予防効果とともに、感染予防効果や発症予防効果も期待されています。
また、オミクロン株対応ワクチンは、インフルエンザワクチンとの同時接種が可能ですし、すでにどちらかのワクチンを接種した方でも、間隔をあけずに接種できます。
副反応を心配される方もいると思いますが、注射した部分の痛み、頭痛、疲労、発熱等がありますが、現時点で重大な懸念は認められないとされています。
のどの痛みや発熱症状があったら
発熱などの体調不良時に備えて、新型コロナ抗原検査キット・解熱鎮痛剤を用意しておきましょう。
こうした症状があるときには、高齢の方や持病のある方は、重症化リスクがあるので、発熱外来やかかりつけ医に問い合わせを。検査キットがあれば確認し、陽性の場合は、発熱外来に相談しましょう。
検査の結果、コロナとインフルエンザに同時感染していた場合には、インフルエンザの治療薬を服用して様子を見ることになります。
軽症の場合には、健康フォローアップセンターに連絡・登録の上、自宅等で療養を。体調が変化した時などは、同センターに相談しましょう。
日常の予防をしっかりと
コロナやインフルエンザだけでなく、朝晩と寒暖の差が激しく、空気が乾燥してくると、風邪や胃腸炎等の感染症も増えてきます。今一度、生活を見直しましょう。
■こまめな手洗いと手指消毒を(手荒れを防ぐためにハンドクリームを十分に塗りましょう)。
■できるだけ人込みを避けて、屋外でも、人込みや話しをするときには、マスクを着用しましょう。
■加湿器等を使用して適度な湿度を保つように。
■バランスのとれた食事、十分な睡眠を心がけて、免疫力をつけましょう。
感染症にかからないために、生活習慣を含め出来る予防対策をしっかり行い、この冬を元気に過ごしましょう。
アドバイス
豊洲医院
院長
稲田香里先生