元気なうちに考えたい遺言 相続

ご自身が時間をかけて作られた資産や代々受け継がれた資産。誰に、どう残すか。不安に思っている方も多いのではありませんか。「遺言・相続 すまいる相談会」相談員として、様々なご質問に対応されている髙橋恭佳行政書士事務所 相続診断士、行政書士 髙橋恭佳さんに伺いました。

遺言は書いたほうがいい?

相続の問題の中で、特に今回は遺言に絞ってお話をしたいと思います。
遺言を書くというと、「うちはそんなに残すものはないから」「子どもたちは皆、仲がいいからもめることはない」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
でも、表を見ていただくとわかるように訴訟になる割合で1000万円以下が32%。5000万円以下を含めると70%以上となっています。

また、お子さん同士仲がいいと言っても、お母さまやお父様がお子様達をつないでいる場合が多く、つないでいる方が亡くなられてお子様たちだけになると、それぞれ抱えている状況等もあり、それまでのようにはいかない場合が多いようです。

遺言には、大きく分けて二通りあります

相続が争族にならないために遺言は有効な手段ですが、遺言には、大きく分けて2種類あります。
・自筆証書遺言
自筆証書遺言は、全文と日付、氏名を本人が書くものです。自分で書くことができれば一人で作成することができ、費用も掛かりません。でも、自分で保管する必要があり、しまった場所がわからなかったり、改ざんされるリスクも伴います。また、相続開始後、相続人が家庭裁判所に検認を請求する必要があります。
ただ、昨年7月に法務局が「自筆証書遺言保管制度」を開始し、この制度を利用すれば、安価な費用で、遺言を保管してもらうことができ、検認も必要ありません。
この制度を利用する際の注意点は、法務局は形式の確認はしてくれますが、内容の審査は行ってくれませんので、内容に不備があると無効になってしまう可能性があります。

・公正証書遺言
 公正証書遺言は法律の専門家である、公証人のもと、2名以上の証人が立ち会って行う遺言で、公証役場に出向いて作成します。(出向けない場合は公証人が出張して作成することになります。)原本は公証役場で厳重に保管され、相続開始時に検認の必要もありませんが、財産の価額によって手数料がかかります。

遺言は、残される方々への最後の手紙

ご自身が何を考え晩年を過ごされていたか、残した資産をどうつないでほしいか、亡くなった後では、本人の言葉は伝えられないし、ご遺族は聞くことはできません。
 私は遺言とは、残された方へ送る最後の手紙だと思っています。財産分与のことだけでなく、付言事項として、ご自身のその時のお気持ちも遺すことができます。
 お身体が元気で判断能力がある今だからこそ、遺言は書けるものです。

これからの人生を、心配事を少なくして、元気に楽しんで過ごすためにも、まずは、不安に思っていることを解決しましょう。
「遺言・相続すまいる相談会」では、毎月1回、区内の文化センター等を使用して、無料でご相談をお受けしています。

アドバイス

「遺言・相続 すまいる相談会」
相談員
髙橋恭佳行政書士事務所
相続診断士 行政書士
髙橋恭佳さん

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