追善供養

お盆の頃に、お墓参りをされた方も多いのではありませんか。ご先祖様の成仏を願い仏事を行う『追善供養』。実は浄土真宗では行わないと言われています。

浄土真宗における『追善供養』のとらえ方を、浄土真宗本願寺派 築地本願寺 教化育成部 部長 佐々木 了慎さんに伺いました。

追善供養とは

追善供養とは、故人がきちんと成仏できるよう、残された人が良い行い(功徳)を積むことを指す言葉です。残された人が故人の冥福を祈って仏壇を拝んだり、お墓参りをしたり、法要を行うことなどです。

具体的には、亡くなってから49日目に行う四十九日法要、命日をめどに行う年忌法要。お墓参りや仏壇に線香やお花、お仏飯を供える等。こうした日々の行いも供養のひとつとされます。

浄土真宗では

仏教でも宗派によって考え方はさまざまです。親鸞聖人が開かれた浄土真宗では、亡くなると阿弥陀如来の救いのはたらきで、この身このまま浄土に生まれて仏になると説かれます。

故人は、すでに救われている身であるので、遺族は故人のために功徳を積む必要はありません。追善の供養という考えそのものがない、と思ってよいでしょう。

でも、浄土真宗でも四十九日法要などの法要やお墓参り等は行います。 

それは、浄土真宗での法要は追善の供養としての意味合いではなく、先立たれた方をご縁として、お浄土に導いてくださる阿弥陀如来のお徳を讃え、報恩感謝の思いでお勤めするもの。仏様の教えに出会わせていただくためのものなのです。

私たちは、日々の生活の中で苦しみや悲しみに出会うことがあります。また、亡くなったらどうなるのか、不安や心配になることもありますが、阿弥陀如来の教えを聴聞して、「南無阿弥陀仏」のお念仏を唱える中で、迷いを転じてさとりの世界へと導かれると思うと、安心して、今を一生懸命に生きることができるのではないでしょうか。

お寺をもっと身近に

東京都だけでも3000近いお寺があるのをご存じですか。道を歩いているとお寺さんに気づくことが多々ありますが、なかなか入りづらいかもしれませんね。でも、江戸の時代からお寺は地域のコミュニティの中心で、心配事や困ったことがあると住職に相談したり、話を聞いてもらったり。お寺と住民が密接につながっていました。

築地本願寺では、『開かれたお寺』を目指し、「予約不要・相談無料の僧侶相談」をはじめ、終活相談、講座等を行っています。また気軽に立ち寄っていただけるよう、境内には、カフェやレストラン、ショップを設置しています。

境内に作られたインフォメーションセンターとカフェ

10月7日・8日には、「安心シニアライフ 第4回エンディングフェア」を開催。終活に関する様々な情報やサービスのご案内を行う予定で、どなたでもご来場いただけます。

より多くの方の人生や暮らしに寄り添い、心豊かに、心安らかに過ごしていただけるようお手伝いをいたします。

是非一度、築地本願寺にお立ち寄りください。

お話し

浄土真宗本願寺派
築地本願寺
教化育成部 部長
佐々木 了慎さん

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