冬に多い肌トラブル

空気が乾燥している今日この頃。肌がかさかさしてきたと、気になっている方も多いことでしょう。肌トラブルの対処法と受診の目安、予防について、地域密着型医院として多くの方を診察している豊洲医院 院長 稲田香里先生にお話を伺いました。

手洗い・アルコール消毒の影響も最近、受診される方の中で多くなってきたと感じているのは、まず「膀胱炎」です。

膀胱炎は感染症ではありませんが、寒くなって冷えを感じるようになると増えてきます。特に女性に多い病気で、若い方から高齢の方までみられます。

本格的に寒さが増してくる冬シーズン。カサつきやかゆみなどで受診される方が多くなってきました。
冬における肌トラブルの大きな原因のひとつは乾燥です。それでなくても湿度が低くなる冬は乾燥しやすいのに加え、今年はコロナの影響で、いつも以上に手を洗い、アルコール消毒をしている方が多くなっています。
粉が吹いて白くなったり、逆に赤みを増したり、カサカサしたり、ざらざらしたり。

たっぷりの保湿剤を

症状が軽いうちは、手を洗うたびにハンドクリームをたっぷりと塗ることで症状が改善されることがあります。たっぷりな量ですが、皆さんはハンドクリームを塗る際、1回どのくらいの量を塗っていますか。
来院される方に伺うとほとんどの方が数ミリくらいを手に取り、薄く伸ばしているようです。でも、クリームを塗る際は、指の先から第一関節までが両手分と言われています。また、水仕事をする時には、手袋をするのもおすすめです。洗剤が手の脂分を取ってしまうのを防ぐ効果があります。

全身のかさつきやかゆみを感じたら、お風呂上りに保湿剤をたっぷり塗りましょう。塗ったところに、ティッシュを置いて逆さにしても落ちないくらい、が目安です。お風呂場で軽く水分を拭いたら、服を着る前に保湿剤を塗りましょう。湿った状態で塗ることで水分を閉じ込める効果があります。
べたつきが気になるという方は、保湿剤の入っている入浴剤を使用してもいいですね。

このような対処をしてもかゆみが増したり、ひび割れがひどくなってきたら、ひっかいてトラブルが重症化する前に受診をしましょう。

マスクトラブルも

コロナの影響で、多くなったのがマスクによるトラブルです。今はほとんどの方が外出時にマスクをしています。マスクをしているので、湿度が保てると思う方もいるでしょうが、逆に蒸れてかぶれたり、ニキビが出来たりという方が多くみられます。また、マスクのひもがこすれる耳の部分が切れたり、マスクの素材が肌に合わないために赤みやかゆみが出るケースも。

「マスクで肌が隠れるから」とスキンケアをおろそかにしていると、肌の機能が低下。ますます肌あれしやすくなります。帰宅したら肌の汚れを洗い流し、保湿ケアを行いましょう。また、マスクを天然素材のものに変えることで、肌への刺激がやわらぐことがあります。不織布マスクが肌に合わない場合は、ガーゼやコットンなどのやわらかい素材を肌との間にはさむのもおすすめです。

それでも、口の周りが赤くただれたり、湿疹ができたり、かゆみ・ヒリヒリ感が強くなることもあります。症状が改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。

アドバイス

豊洲医院 
院長
稲田香里先生

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

目次
閉じる