任意後見制度と老後の不動産活用 

今は元気に過ごしている方も、年を重ねるにつれ認知症を患ったり、足腰が弱くなって歩きにくくなってしまうことも。また、お金の事や住まいの事等々。心配になることもたくさんあることでしょう。

高齢の方がより安心して元気に過ごしていただくために、相続・後見制度のプロ「遺言・相続 すまいる相談会」相談員、特定行政書士の山田和彦さんと住まいのプロ、三菱地所ハウスネット 門前仲町営業所 所長 安井英夫さんにお話を伺いました。

漠然とした不安解消

山田 ニュースなどでよく聞かれることですが、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人だったのが、来年、2025年には約675万人と5人に1人程度が認知症になると予測されています。

毎月行っている「遺言・相続 すまいる相談会」では、自分もいつかそうなるのでは、と漠然とした不安を抱えている方が多くご相談に来られます。

ご相談の内容は変わっても、安井さんが所長を務めている三菱地所ハウスネットさんにもそうした不安を抱えている方が多くいらっしゃるのではありませんか?

安井 そうですね。当営業所にも介護が必要になった時、施設に入所する、2世帯住宅に建て替える等、老後の生活、資金の事等、今のままで大丈夫なのか? 漠然とした不安を抱えている方が来店されます。

リースバックの問い合わせが増えています

安井 また、最近多くなったのが、「リースバック」についてのお問い合わせです。「リースバック」とは、自宅を売却するとその家から退去し、購入者に引き渡すのが通例です。でも「リースバック」を利用すると、自宅を売却して売却代金を取得する一方で、その後も賃金を支払い、住み続けることができる仕組みです。ある程度まとまった資金をもって、余裕のある老後生活を送りたい。生前の相続税対策として現金化をしたい。年金で不足する分を一定額まとめて手元に置きたい。入院したり、介護で有料老人ホームなどに入居する費用などに充てたい等々、住まいを含め、お金の悩みを感じている方が、多く利用されています。

元気な今だからこそできること

山田 それぞれ、生活環境が違うので、ご相談内容は様々ですが、共通しているのが、もし認知症になってしまったらというご心配です。認知症になってしまうと、金融機関での引き出し、振り込み、口座の解約などの取引や、不動産の売却、購入等の取引。また、遺言を書く等の相続関連の事が出来なくなります。

安井 そのご心配をされる方は多いですね。そこで、早めにいろいろ考えておきたいと。

山田 もちろんご自身がお元気なうちに様々な手配を進めておくのはとても大切ですが、同時にお勧めしているのは、任意後見制度です。
  
後見制度には、法廷後見と任意後見と二通りあります。法廷後見は、認知症等を発症するなどして、判断能力がなくなった場合、家族・市区町村など一定の方からの申し出で、家庭裁判所の審判にて法定後見人が選任されるものです。申し出時に後見人候補者をあげることはできますが、家庭裁判所はその通りには選任しません。大体のところ、司法書士・弁護士・社会福祉士・行政書士が選任され、家族が選任されることは稀です。よって基本的に誰が法廷後見人に選任されるかわかりません。また、一度選任されると、よほどのことがない限り交代はありません。

一方任意後見制度は、ご本人の判断能力が十分なうちに、将来、任意後見人になる人との間で、公正証書で任意後見契約を締結します。やがて本人の判断能力が低下し、任意後見人を監督する「任意後見監督人」が選任されたら、任意後見がスタートします。

本人の意思で決定できるので、家族や親族、友人など、信頼できる人に依頼できます。

無料セミナーや相談会を利用しましょう

山田 どのような制度がいいのか、利用できるのか。本人や家族の状況により、活用できる制度は違います。大切なことは「元気なうち」に家族と話をすることです。
・自分は何をしたいのか。何が心配なのか。
・家族は何が心配なのか等々。
考えていることを話してみましょう。

安井 そうですね。そのうえで、第三者として、実務や法律上の問題点などを専門家にアドバイスをしてもらう。また住まいの事であれば、私共、住まいのプロに相談することで、より家族の間で具体的な話ができます。

山田 2月からスタートする、三菱地所ハウスネットとすまいる相談室が行う「無料セミナー&相談会(詳細は下記をご覧ください。)」はまさにうってつけの場です。

これからの人生を、心配事を少なくして、元気に楽しんで過ごすためにも、元気な「今」だからできることを済ませておきましょう。

アドバイス

「遺言・相続すまいる相談会」相談員 
行政書士オフィス 未来計画
特定行政書士
山田 和彦さん

三菱地所ハウスネット
門前仲町営業所
所長
安井 英夫さん

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