終戦から80年。
人口の9割が戦後生まれとなり、戦争を知らない世代が当たり前となった今日。
日々の生活の中で平和について考える機会は少なくなりがちですが、小さな行動のひとつひとつが未来への希望に繋がるのではないでしょうか。
「江東健康友の会」では、平和への願いを込めて、千羽鶴を折り続けています。
今回は、「江東健康友の会」の皆さまにお話を伺いました。
届いた鶴から広がる心
今から30年程前、被爆者の会・事務局長の元に、夫を亡くした女性から、新聞のチラシで折られた色々な大きさの鶴が送られてきました。送られてきた鶴を「どうしようか」と話し合い、協力してその鶴に糸を通し始めたことが、千羽鶴作りのキッカケとなりました。
「江東健康友の会」で、千羽鶴を折る活動は25年ほど続けています。
広島と長崎で一年おきに開かれる「原水爆禁止世界大会」にも、千羽鶴を送っていましたが、新聞やチラシが底を尽きてしまいました。そこで、友の会で5センチの折り紙を購入し、折り紙で作られた千羽鶴を作ることになりました。
現在では、折り紙のサイズは11・7センチと決めて折られています。
広島や長崎には、全国各地から多くの千羽鶴が届けられます。8月6日と9日に、総理大臣や市長が参列する日に合わせて、江東健康友の会も、広島と長崎に心を込めた千羽鶴を贈っています。
広島と長崎へ千羽鶴を届けているほか、8月に開かれる水俣病の会にも、千羽鶴を届けています。水俣病の会へ届ける千羽鶴には、15センチの折り紙が用いられています。今年は、各3000羽、贈りました。
色とりどりの折り鶴に込められた祈りと願い
「江東健康友の会」では、月に一度、皆さんが集まって、おしゃべりを楽しみながら千羽鶴を折っています。会員は1000人近くおり、年齢は関係ありません。好きな色の折り紙を選んで折り、それを寄せ集めて千羽鶴を仕上げています。

千羽鶴は、縦に40羽ずつ並べられた鶴を25本集め、合計で1000羽になるように作られます。

「鶴を折りながら、亡くなられた人、たくさんの犠牲者の上に私は今生かされているのだと感じる」「今の世相を考えると、また戦争が始まりそうで怖い。戦争のない、平和な毎日を想う」と会員の方々は話します。
1羽、また1羽と折られていく折り鶴。その手の動きには、平和を祈る静かな願いが込められています。折り続けられる鶴のように、平和への想いもまた、途切れることなく受け継がれていきます。
江東健康友の会 折り鶴班
会場 江東区三好4−7−10 サウスフラッツ集会所(扇橋入居マンション)
問い合わせ先 事務局 小栗多美子
☎︎080(1089)7222
