外出中、トイレの場所が気になったり、また気になって外出が面倒になったり…。
でも、尿に関する悩みはなかなか人に話せないものですね。
清澄女性泌尿器科クリニック院長 平本有希子先生にお話を伺いました。
頻尿の原因
突然、我慢が難しいほどの強い尿意が現れ(尿意切迫感)、トイレの回数が増える(頻尿)。強い尿意が突然起こり、トイレに間に合わずに尿漏れしてしまいそうになる状態の事を、過活動膀胱と言います。
過活動膀胱は、強い尿意があるかどうかを基準に診断します。
日本国内では、40歳以上を対象とした調査で、約12%が過活動膀胱の症状が見られ、加齢に伴い頻度が上昇し、70歳以上では約20%、80代歳以上では35%の方に症状がみられると言われています。
こう書くと、「年のせい」と思ってしまいますね。
でも、過活動膀胱の原因は、「加齢」などが原因で発症するタイプと、脳血管障害や認知症、パーキンソン病、脊髄腫瘍、多発性硬化症、頸椎症、脊柱管狭窄症、糖尿病性末梢神経障害などの神経に原因があるタイプに分かれます。
稀ではありますが、腎臓病や糖尿病などの病気が隠れている場合もあります。必要に応じて尿検査や残尿検査、エコー検査などの検査を行い、他の疾患がないと確認した後に、過活動膀胱と診断します。
治療は?
生活指導等の行動療法、薬物治療があります。
・必要以上の水分を摂取している方もいらっしゃいます。排尿日誌を数日つけていただき、水分量が多い方には、カフェインや水分の摂取量を控えていただきます。
高齢者の方の場合は、着脱しやすい服にしたりトイレ環境を整えたりするなどの工夫も有効です。
・膀胱訓練
トイレに行く間隔を徐々に長くして、膀胱の容量を増やす訓練法です。まずは排尿計画を立てて、5分などの短時間での排尿我慢から始め、徐々に排尿間隔を長くしていきます。
・骨盤底筋訓練(体操)
腹筋に力を入れずに、膣や肛門を締める訓練法です。
・スターフォーマー(磁気椅子) ※自費診療
スターフォーマーに座っていただき、骨盤底筋を強化して頻尿や尿失禁を改善します。
・薬物療法
・膀胱の過剰な収縮を抑え、尿意切迫感を改善させる効果のある薬がありますので、一定期間、服用していただきます。
行動療法や内服治療を一定期間以上行っても改善しない場合には、膀胱内の壁に注射をする治療法もあります。(ボツリヌス毒素膀胱壁内治療といい保険適応の治療法となります。)
お気軽にご相談ください
頻尿や多尿の原因はさまざまで、生活習慣を見直すなどして改善する場合もありますが、病気が原因の場合もあり、しっかりとした診断と治療が大切です。
女性の方の多くは、尿に関する相談はしにくいと思われているようです。
当院では、医師はもちろん看護師等のスタッフ全員が女性。患者様のご心配事やお困りごとを伺い、適切な対応をしています。
トイレを気にせず積極的な楽しい生活を送ることを目指して、お手伝いをさせて頂きます。
アドバイス
清澄女性泌尿器科クリニック院長
平本有希子先生