冬、多くなる便秘 解消!

65歳以上の方の約6割が便秘に悩んでいるという調査結果があるくらい便秘はごく身近な健康問題。一段と寒さが厳しくなる冬はさらに多くなるのでしょうか。

地域密着型医院として多くの方を診察している豊洲医院 院長 稲田香里先生にお話を伺いました。

冬の時期に多くなる便通トラブル

冬になると便通が悪いと感じる方も多いかもしれません。冬に便秘に陥りやすい主な原因として挙げられるのが、水分不足。水分が減ると便が固くなってしまうため、便秘になりやすくなります。
冬は夏に比べて気温が低いため、喉の渇きを感じにくくなります。また、感染対策などでマスクをしている方も多く、口や鼻の中が乾燥していると感じにくくなる傾向にあります。でも、冬は空気が乾燥しがちです。外気もそうですが、室内も暖房器具を使用することで空気中の水蒸気量が減って乾燥しやすいので、知らず知らずのうちに体から水分が奪われてしまうことがあります。

また、冬は体が冷えやすい季節。特に腹部が冷えてしまうと、腸の動きが悪くなってしまう可能性があります。体に冷えを感じていなくても、下腹部を触ってひんやりする場合は内臓が冷えていると考えましょう。腹部の冷えは、便秘だけでなく、下痢や疲れ、だるさの原因にもなります。

冬は寒いため、体を動かすのが億劫になりがちですね。運動不足は便秘の原因になることが分かっています。

予防と対策

・水をコップ2杯分プラス
 みなさんは1日にどれくらいの水分をとっていますか? 1日に摂取する理想の量は2.5リットルといわれています。
 湯呑み1杯約150ml コップ1杯180~200ml ペットボトル350~500ml。その他に、食事から摂取したり、体内で作られる水もありますが、多くの方がコップ2杯分不足していると言われています。
 朝起きた時や就寝前、定期的にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。

・食物繊維を5gプラス
 食物繊維の多い食品を摂取することで、腸の蠕動運動を促進し、便の量を増やします。食物繊維の多い食品といえば野菜。かぼちゃやごぼう、きのこ類。また大根やキャベツ等々。リンゴなどの果物もいいですね。これらの野菜は水溶性の食物繊維ですが、わかめ等の海藻は、不溶性の食物繊維で、両方をバランスよく摂取することが大切です。
 冬は鍋料理やみそ汁等に入れて摂取することで、水分も一緒に取れるのでお勧めです。5gプラスするためには、野菜の小鉢を後2品増やすことがいいと言われています。
 その他、発酵食品や乳酸菌も善玉菌を増やす働きをします。ヨーグルトや納豆、キムチ等、毎日継続して摂取するように。

予防が大切

病気にかかってから治療するという従来の考えから、かかる前の予防医学の大切さが認識されてきています。  生活環境の中でできる工夫をお話ししましたが、改善を試みても良くなる実感がないという方は、他に病気が隠されている可能性もあります。症状が進んで苦しい思いをするなど、大事に至る前に受診しましょう。

いつまでも健康で楽しんで日々を過ごすためのお手伝いをさせて頂きます。

アドバイス


豊洲医院 
院長
稲田 香里先生

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