私が借地権・底地権の仕事を始めた理由

今回は、数々の不動産のお悩みを解決されてきた、合同会社 山﨑不動産相談室 代表の、山﨑享子さんのストーリーを掲載致します。山﨑さんのご経験談を通して、実際にあった不動産のお悩みに触れてみてください。より実感を伴って感じていただけるはずです。

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私は不動産の仕事を30年以上、その半数以上は借地権・底地権のコンサル、売買、更新契約も関わらせていただいています。

初めての底地権売買は約30年前のサラリーマン時代です。江東区大島の底地(地主さんの土地)の売却でした。当事の借地人さんが買主で、借地人さんは引渡しを受けた時から、完全な所有権(土地建物)の所有者となりました。

ペラ1枚の土地賃貸借契約書を見た時の衝撃は今でも忘れられません。20年という長い契約なのにたった一枚の契約書。内容も不充分でした。

一般的には「地代の値上げ」「転貸・借地権譲渡の際は地主の書面による承諾が必要」「建物増改築禁止特約」「更新時に借地人は地主に更新料を支払う※記載無いケースも」「契約終了時借地人は、更地(建物を解体)にして地主に戻す」。地代の根拠、更新料の根拠も書かれていません。

借地人さんも地主さんも、先祖代々から受け継がれるケースも少なくありません。お子さんが複数の場合、相続で共有になるともめる原因です。

大島の底地も、当時は借地権・底地権について無知の私でしたが、もう一つ忘れられない記憶があります。それは残金決済を終えたときの地主さんの表情です。心底、【安堵】されていました。何があったのだろうと思った記憶があります。

それ以来、借地権底地権にとても興味を持ち、あの訳のわからないペラ1枚の土地賃貸借契約書を完全攻略したいという想いがふつふつと湧き上がりました。

数年後、同じ部署の先輩が底地買取会社に転職され、私も後追い入社。2件目の借地人さん16件の現場でリーダーを任されました。借地人さんたちは私達を【地上げ屋】と勘違いされ、追い出されるのかと怯える方もいらっしゃいましたが、皆さん理解されると同時に次々に契約締結です。

借地人さん数人から、「私たちはこの土地の7割(借地権割合70%)の権利を持っている」とお聴きしました。少し前までは確かに7割でしたが、私が訪問した時点では既に6割です。

借地人さんの言い分を聴き、地主さん(底地権以外の不動産も多数所有)が思い切って全16件の底地権を売却したいと決意されたお気持ちも良くわかりました。とても良い場所なのに、わずかな地代しかもらえず、そこから固定資産税を払ったらいくらも残らない。地代値上もなかなか応じてもらえない。自分の土地なのに使えない。地主さんに直接聞いた訳でありませんが、地主さんはこの借地人さん達とのご縁を終了する決心をされたのです。

残金決済完了後、元地主さんは底地の売却資金でアパート数棟を建て、竣工後間もなく亡くなられました。今でも思い出すと悲しいですね。地主さんでなかったら、もっと長生きされたと今でも思います。あれだけの規模、昔からのご先祖様から続く相続で地主さんになられた。ご高齢でもありましたが、遺されるご家族のことも含めてご心労がたたったのだと思います。

地主さんと借地人さんの内状を知れば、お互いに折り合いが付かない。相手の言う事を理解できない。多かれ少なかれ必ず有ることです。

そのような地主さん、借地人さんをたくさん見て相談を受け、解決して来ました。私はその経験を地主さん借地人さんのお役に立てたいと、平成29年に独立起業、現在8期目を迎えています。

最後はどちらからも「山﨑さんに入ってもらって良かった!!」と言って、笑顔を見せてただく時、それが次の活力となっています。

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