「終活(しゅうかつ)」という言葉を耳にするようになって久しくなります。終活は自分の人生の最期に向けて、心と暮らしを整える活動のことです。「まだ先のことだから」と思う方もいれば、「早く準備したい」と思う方もいらっしゃるでしょう。ただ、終活といってもどこから手をつけてよいのかわからず、準備を進める中で相談したいことが出てくるものです。そんな終活について、浄土真宗本願寺派 築地本願寺 副宗務長 木村 共宏さんに伺いました。

築地本願寺の終活支援
築地本願寺では、みなさんの終活におけるさまざまなお悩みにお応えする、ワンストップサービスを提供しています。葬儀やお墓のこと、相続や遺言の準備、さらには遺言の確実な履行のための死後事務委任など、必要に応じて弁護士・税理士などの専門家とも連携し、広くご相談の場を提供しています。このサービスは特に門信徒(檀家)にならなくても受けることができます(但し、入会金・年会費無料の築地本願寺倶楽部に入会いただく必要があります)。
人生と向き合う心の時間
「一方で、終活を進める中では、気乗りがしなかったり、あるいは気持ちだけが焦っていくようなこともあるでしょう。終活は単なる「片づけ」や「死の準備」ではなく、これまでの人生と向き合い、心を整える機会でもあります。ですが、思い出の詰まったものを手放すことは時として辛いことでもあり、無理をすると心が疲れてしまうこともあるかもしれません。仏教では「執着を手放す」ことが大切と説かれますが、なかなか簡単なことではありません。

そんな時は、お寺の本堂でゆっくりしていただくのも一つの方法です。本堂に座っていると気持ちが落ち着くという声も聞かれます。実際、近隣の病院の帰りにふらりと立ち寄られ、静かな時間を過ごされる方も少なくありません。また、堂内には僧侶が常駐し、無料の「本堂相談」を行なっております。お声がけいただければ、お悩みや不安の解消にお手伝いさせて頂きます。終活を行う中で、いろいろな感情が湧くこともあるでしょうが、だんだんと心を軽くして頂き、残りの人生をより良く生きることにつなげて頂ければと思います。
築地本願寺では「開かれたお寺」を目指しており、初めての方でも安心できる雰囲気を大切にしています。気楽に訪れて頂ければと思います。
終活を前向きに楽しむ
築地本願寺の終活相談は、専門的な内容はもちろんのこと、「ちょっと話を聞いてほしい」といった日常の小さな疑問や不安にも対応しています。定期的な終活講座や年に一度の終活イベントも好評です。終活は後ろを振り返るだけの活動ではなく、これからの安心を手に入れるための活動といえます。
10月18〜19日にも、終活に関するイベントを開催しますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。一人で抱え込むよりも、誰かに話すことで心はすっと軽くなるもの。心と暮らしの両面から安心できる終活を、無理せず取り組んでいきたいですね。
築地本願寺終活フェア2025
テーマ:いっしょに考える あなたの終活
日時:10月18日(土)〜19日(日)10時〜16時
主催・会場:築地本願寺

築地本願寺 副宗務長
木村 共宏さん
