山田政雄さん(78歳)は、毎朝6時30分から7時30分までの1時間、自宅周辺の四ツ目通りや路地など、約1、000mの道沿いを箒と塵取りを持ってゴミ集めをしています。この活動を山田さんは30年以上続けています。
そのきっかけは、お父様が自宅で茶道や華道を行うほどの広い屋敷を持ち、庭の木々から落ちる葉を毎日掃除していたことにあります。山田さんは子どもの頃、その姿を見て、自分も手伝うようになりました。
お父様が体調を崩した際には、山田さんが一人で掃除を続け、次第にゴミが落ちていたら気になるようになり、掃除の範囲がだんだんと広がっていったそうです。
山田さんの一日は、朝5時に起床。神棚、仏壇を掃除し、お茶とご飯をお供えすることから始まります。その後、外の掃除へと進みます。
毎朝ゴミを集め続けても、ゴミがなくなることはなく、毎朝ゴミ袋にいっぱいになります。特に賃貸集合住宅前は袋から出たゴミが路上に散らかっていることが多く、その原因であるゴミ袋を漁るカラスとの戦いも日々の一環です。
「地域のゴミを地域に住む人が地域の責任として片付けていくことは、ある意味自然な行為だと思う」と語る山田さん。ほかに町内を清掃活動する人もいますが自然とエリアを分け合いながら続けています。
山田さんは毎朝の清掃活動の後に、毛利小学校前で子ども達の登校を見守る活動も行っています。特にこの地域は総合病院が多く、救急車が頻繁に通るため、子ども達が交通事故に遭わないよう注意を払っているのです。
そのほか、東川小学校や毛利幼稚園での「みどりのカーテンづくり」にも積極的に取り組んでいます。
山田さんにとってさまざまなボランティア活動は「日常」となっていて、強い使命感というより、自分の素直な気持ちのまま、地域の方々のおだやかな時間を願い、楽しみながら続けているのではないでしょうか。そして、その想いが自然に人々の心に優しく届いているように感じます。
江東区では「こうとうまち美化応援隊」という名称で、週1回や月1回の清掃活動を行う団体が多数登録されており、多くの方が山田さん同様、自分の住んでいる街の美化活動のボランティアに従事しています。街を美化する活動は自分の心を清める活動にもつながるようです。
こうとうまち美化応援隊に関するお問い合わせは
江東区役所 環境清掃部環境保全課環境美化係
☎︎03(3647)9373まで