「土を守ろう、未来も守ろう」~落ち葉・雑草・生ごみで育てる土~

最近、土に触れていますか?

私たちの暮らしはアスファルトやコンクリートに囲まれ、靴を履いて歩くだけの毎日では、土に直に触れる機会が少なくなっています。けれども、私たちの足もとに広がる土は、驚くほど豊かな世界を隠し持っています。

土が育む見えない世界

実は地球上の生き物の約6割は土の中で暮らしています。地上や水中に暮らす生き物よりも多いのには驚きです。目には見えませんが、そこには微生物や菌が無数に存在し、植物の根をつないで栄養や情報をやり取りするネットワークをつくっています。弱った木に栄養を送ったり、病害虫の情報を交換したりと、まるで森全体を支えるインターネットのようです。そして彼らの働きによって有機物が分解され、ふかふかの「団粒構造」が生まれます。団粒構造は水はけがよく、保水性にも優れ、肥料分をしっかり含むため、植物にとって最高の環境なのです。

昔の知恵を現代に活かす

日本では昔から、この土の力を大切にしてきました。江戸時代には生ゴミや人糞を回収して堆肥化し、資源を循環させていました。昔話に出てくる「お爺さんは山へしばかりに」の〝しば〟とは、山のシダ類や枝葉の若芽のこと。青々とした植物を畑にすき込み、緑肥として土を豊かにする工夫でした。落ち葉もまた大事な資源です。ゆっくり分解され、腐葉土となります。さらに、普段は厄介者と思われがちな雑草も立派な資源。抜いた草をそのまま乾かして土に戻せば、有機物として土を養う力になります。

現代の私たちができる土づくりも、実はとてもシンプルです。まず意識したいのは、「土を守ることは地球の生物多様性を守ること」という視点。そして身近に取り組めるのが、生ゴミを堆肥にして循環させることです。庭やプランターでも、落ち葉や雑草を堆肥にして混ぜるだけで土は少しずつ生き返ります。

小さな実践の積み重ねが、植物を育て、暮らしを豊かにし、未来の環境を守ることにつながります。土に触れることは、自然と自分自身を大切にする第一歩なのです。

土に触れて、コミュニティガーデンで一緒に土づくりを楽しみましょう!

アドバイス

コミュニティガーデン
アンバサダー
東方 陽子さん

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