日本では約1000万人以上いると言われている骨粗しょう症。一見、関係なさそうですが、歯周病とも関連しています。
今回は骨粗しょう症と歯周病の関係について、砂町北歯科、院長、下田隆司先生にお話しいただきました。
骨粗しょう症とは
前回お話ししましたが、歯周病は、歯についている歯垢や歯石に歯周病菌がついて、歯肉組織に炎症をひき起こす病気です。歯を支えている骨を溶かし結果的に歯を失う原因となります。
一方、骨粗しょう症は全身の骨強度が低下し、骨がスカスカになってしまい、もろくなります。その結果、ちょっとつまずいたり、転んだりすると骨折してしまうこともあります。
骨粗しょう症は女性に多く、約9割が女性と言われています。
歯周病と骨粗しょう症との関係は
骨粗しょう症により全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎が進みやすいと考えられています。
その他にも、骨粗しょう症の治療薬として処方されることの多い骨吸収抑制薬のビスホスホネート製剤は、
0.1%と低い発症率ではありますが、あごの骨が壊死してしまう、顎骨壊死を引き起こすこともあります。その多くは抜歯などの外科的処置とそれに伴う感染を契機に発症します。
顎骨壊死になると治療法がなく、専門の口腔外科での治療が必要となります。
服用を止める?
こういうお話を患者さんにすると、「では、薬を飲むのを止めます」という方もいらっしゃいます。でも、勝手な判断で服用を止めてしまうことで、骨折のリスクが上昇してしまうこともあります。
当院では、このような患者さんには、通院している整形外科と連携し、口腔内を清潔に保つことにより副作用のリスクを減らすように努めています。
口腔内をいつも清潔に
顎骨壊死を防ぐために、もっとも大切なことは予防です。
今お話ししたように、顎骨壊死は抜歯などの外科的処置とそれに伴う感染が引き金となって発症します。
したがって疾患のある歯はきちんと治療をし、口腔内をいつもきれいにしておくことが重要です。気軽に相談できるかかりつけの歯科医師を持ち,定期的な歯科クリーニングを欠かさないようにしましょう。
当院は、コロナ対策として、安心して治療を受けていただけるよう、一つ一つの診療室を半個室とし、プライバシーとソーシャルディスタンスに配慮した作りとなっています。
ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談ください。
お話し
砂町北歯科院長
下田隆司先生