補聴器の支援制度と選び方

補聴器は高価で手が届かないと思っていませんか?実は高齢の難聴者に対して、各自治体が独自に「高齢者福祉」として、補聴器の支援をしているのです。また18歳以上の高度・重度難聴者には「障害者総合支援法」に基づき「障害者福祉」として、補聴器の支援がなされます。今回は、今年4月から大幅に拡充される予定である、江東区の「高齢者補聴器支給事業」について、認定補聴器技能者亀戸まごころ補聴器店主岡田華恵さんにお話を伺いました。

令和7年4月1日より支援が拡充!

江東区の「高齢者補聴器支給事業」は現在、①現物支給 ②購入費助成(上限3万円)がありますが、4月から主な変更点は、①②共に所得制限の撤廃です。また、「①現物支給」の補聴器も変更になり、申請方法が変わります。「②購入費助成」では助成額が7万2千450円と、現行に比べ倍以上の額になる予定です。さらに、今までは生涯に一度きりしか支援が受けられなかったものが、4月からは、支給から5年経過した場合、再支給を申請できるようになります。かなり大幅な支援の拡充になりそうですね。「補聴器は高い」「手が届かない」と敬遠されがちですが、こういった支援制度をぜひ活用して欲しいと思います。

しかし、こういった支援制度が十分に知られておらず、「制度の説明を受けずに高額な補聴器を全額自己負担で購入した。」というケースや、「補聴器は高額でないと役に立たないと誤解していた。」というようなケースが少なくありません。

こうした事態や誤解を防ぐためにも、補聴器を選ぶ際には信頼できる認定補聴器専門店を選ぶことが大切です。お店の理念、担当者との相性、認定技能者が常駐しているかなどを確認し、納得のいく補聴器選びをしましょう。

『補聴器なんて、高いだけで役に立たない』と諦める前に、まずは気軽に補聴器を試してみてください。技術が進化し、多くの方が「補聴器を使ってよかった」と実感しています。

映画上映会のお知らせ

聴覚障害者が運営する手話サークル虹と共催で、5月に話題の映画『わたしたちに祝福を』の上映会を開催します。

この映画は、旧優生保護法による強制不妊、手話が禁止された時代、障害者や女性への賠償金の減額など、ろう者女性の生きづらさを繊細かつ強烈な描写で描いた芸術的作品です。私は補聴器を通じて多くのろう者の方や難聴者と出会う中で、聴こえる人も手話を学び互いに歩み寄ることの大切さを実感しました。そしてこの映画を観て、補聴器技能者としてではなく、一人の人間、女性として深く共感しました。

ぜひ皆さんもご覧になり、一緒に考えてみませんか?

皆様のお越しを、心よりお待ちしております。

映画「わたしたちに祝福を」 東京上映会
2025年5月31日(土) 19時半〜21時(19時から受付開始)
会場 亀戸文化センターホール(カメリアプラザ内)
料金 一般1500円、学生(中学生〜大学生)1000円(当日券は200円増し)
申し込み 
電話FAX 
03(5627)3317
メール info@kikoeru.jp 亀戸まごころ補聴器

認定補聴器技能者
亀戸まごころ補聴器
岡田 華恵さん

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