つるし飾りの講師として、伝統文化を伝えています
今年80歳。人生一区切りです
宮永悦子さん
昭和16年4月2日生まれ、79歳。
高知県潮江で生まれる。潮江は、高知市中心部の鏡川沿いの繁華街。両親は、当時は珍しかった喫茶店を営んでいた。
悦子さんは、4人妹弟の長女で、共に働いていた両親に代わり、家の手伝いを率先して行っていたという。中学生のころからご飯の仕度や6歳違いの弟さんの世話。「嫌だと思ったことはなかったですね」と悦子さん。
高校卒業後、大阪へ
高校を卒業した悦子さんは、大阪の化粧品会社に就職。美容部員として、和歌山や奈良の百貨店、個人経営のお店に出向し、マッサージ等を行っていたという。
「小さい頃から手仕事が好きで、人と話をするのも大好きだった」という悦子さん。美容部員の仕事は楽しかったと話す。
24歳で職場結婚
悦子さん、24歳の時に、同じ化粧品会社で営業を担当していた、4歳年上の男性と結婚。26歳・28歳で女の子を出産。夫の脱サラ・起業に合わせ、家族で千葉県に移住した。
「慣れない土地で不安だったのでは」と伺うと「もともと前向きな性格。どんなところも住めば都。楽しかったですよ」と、えがおで振り返る。
習い事にいそしむ
「子育てで仕事ができないから、習い事をしよう」と考えた悦子さん。機械編みの教室に通うようになる。講師の資格を取得し、教えてくれていた先生の後を継ぎ教室を運営。その後、アートフラワー・レザークラフト・袋物等学び、ご近所さんに教えるようになる。
悦子さん49歳の時に夫を見送る。
「働かなくては」と、川越で無線機器の販売をしていた弟さんの会社に入社。勤め先の近くにあったリサイクルショップで古い着物と出会い、生地の美しさに魅かれ、集め始めたという。
集めた着物生地でバッグや小物をパッチワークで作っていた悦子さん。つるし飾りをやってみないかと勧められ、本を参考に挑戦。評判がよかったこともあり、江東区に転居したのを機に、花小金井と森下文化センターでつるし飾りの講座をスタートし、現在も続けている。
80歳を区切りに鹿児島へ転居
今年4月、80歳を一区切りに、妹さんと弟さんが暮らしている鹿児島へ移住を考えているという悦子さん。「鹿児島では、気軽に立ち寄れるような、サロン風の教室を開く予定。田舎暮らしで体を動かし、頭を動かし指を動かし、ボケないで、人生を楽しみたい。」と話す悦子さん。「目標は94歳で大往生した最愛の母」と締めくくってくださいました。