日本人にとって非常に身近に存在する「お箸」。全世界で三割程いると言われている箸で食事をする民族、所謂「箸食」文化圏に属する私たちですが、その文化には他国にはない、驚くほど『特別な文化』が秘められていることをご存知でしょうか?
日本のお箸は何故寸胴型じゃない?
諸外国のお箸は寸胴型をしていますが、私たち日本のお箸の箸先は細く尖っています。それには、食文化の違いが大きく関係しているのです。
日本以外の箸食文化の国々は『食べ残し』の文化を有します。全て食べてしまうと「足りなかった」等という意思表示になってしまいます。一方、私たち日本人は『完食』の文化を有しています。米粒一粒に至るまで残さず、キレイにいただかなければなりません。故に、日本のお箸は単に食材を『つかむ』だけではなく、小さな米粒や食材も『つまむ』ことができるよう、箸先は細く尖ったものになりました。
他国にはないお箸の配膳の仕方
欧米諸国を含む他国では、お皿の左右に縦に配膳をします。でも。私たち日本人はお箸を手前、かつ横に配膳します。そうすることで、食事という神聖なもの、命あったもの、ご縁の詰まったものと、私たち『俗』な世界の境目、結界を表します。神の国・日本においてお箸は、神様や様々なご縁等と私たちを繋いでくれる存在であり、故に、やってはいけない箸使いなども存在するのです。
改めてお箸を知っていただくことで、日々のお食事が、一層心豊かな食卓となるよう願っています。
アドバイス
株式会社レ・ミゼラ代表取締役
レ・ミゼラ
カルチャースクール代表講師
浅海理惠
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