どの家庭にも、十分に活用されていない物は少なからず存在するものです。一方で、家にある全ての物が100%有効に生かされているということも、なかなかありません。コロナ禍以降の金価格高騰を背景に、近年では金製品や遺品整理に関する相談が増え、利用者の年代も幅広くなっているそうです。
今回は、おたからや 錦糸町店 店長 石田曜子さんに「物の価値を活かす整理の考え方」について伺いました。
「無理に手放さなくていい」という思い
石田さんが買取りの仕事を通じて伝えたいのは、「眠っている品物を、次に必要とする人へ繋いでみませんか」という思い。しかし、その一方で「売却した後に後悔されるお客様もいるので、無理に背中を押すことはできません」とも話します。物には、それぞれの思い出や歴史が詰まっています。後悔しないためにも、自分自身が納得し、気持ちの整理がついたタイミングで判断することが大切です。
捨てる前に、次へ繋ぐという選択肢
「高価な物でなければ買い取ってもらえないのでは」「こんな物を持ち込んでいいのだろうか」と感じる方も少なくありません。しかし、捨ててしまえば、その物との繋がりはそこで終わってしまいます。値段がつかなくても、誰かの手に渡り再び活かされる可能性があります。
気持ちの整理を支える〝キッカケ〟
石田さんは、「物を手放すためには気持ちを整理するためのキッカケが必要なことがある」と話します。知人のご家族は、引っ越しを機に家の整理を進める事になりましたが、着物やおもちゃなど思い出の詰まった品々を簡単に手放す事はできませんでした。それでも査定をしてみると、物の価値が認められ、値段がついたそうです。その事がキッカケとなり、「誰かに使ってもらえるなら」と前向きな気持ちで手放す決心ができたといいます。石田さんはその後も知人宅へ半年に一度ほど足を運び、無理に急がせることなく見守り続けました。査定は金額を知るだけでなく、物の価値を再確認する機会にもなるのです。「後悔のない形で手放してほしい」と石田さんは話します。

長年使われた愛用品には、その人だけの思い出が刻まれています。たとえ傷や汚れがあっても、大切に使われてきた歴史があります。物の価値は査定額だけではなく、そこに込められた思いや役割にもあるのかもしれません。
家の中の「眠っている物」を見直してみませんか
物を整理することは、単に片付けることではありません。整理をすることで、本当に必要で価値のある物が見えやすくなり、暮らしの中で生かされるようになります。反対に、整理しないままでいると物が増え、本来の価値が埋もれてしまいます。今ある物の価値を活かすために、必要な物を選び、活用し、時には手放すことも大切です。物との向き合い方は、終活やこれからの生き方にも繋がります。
皆さんも一度、これまでの思い出を振り返り、本当に必要な物を見極め、ご自宅で眠っている物と向き合ってみてはいかがでしょうか。


おたからや
錦糸町店 店長
石田 曜子さん

