「気づかない脱水」に要注意

夏になると増える「脱水」や「熱中症」。年間1000〜1500人程度が脱水が原因で亡くなっており、実はその80%以上が65歳以上なのだとか。今回は、大江戸江東クリニック 院長 岡田章佑先生に、高齢者が脱水になりやすい理由や、家庭でできるセルフチェックについて伺いました。

年齢とともに〝体の水分〟は減っていく

「成人の体は約60%が水分」とよくいわれます。しかし岡田先生によると、高齢になると体内の水分量は50%程度まで減るとされているそうです。
その大きな理由が、「筋肉量の低下」です。

実は筋肉は、体の中で〝貯水タンク〟のような役割をしています。水分は血液の中に多くあるように思われがちですが、実際に血管内にある水分は5〜6リットルほど。体全体の水分の多くは筋肉などに蓄えられているのです。

ところが加齢とともに筋肉量が減ると、体に蓄えられる水分そのものが少なくなります。そのため高齢者は、若い世代より脱水を起こしやすい状態になっているのです。

さらに、人間の体は汗をかいていなくても、実は皮膚や呼吸から1日約900ccもの水分が失われています。これは尿とは別に失われる水分です。「そんなに汗をかいていないから大丈夫」と思っていても、実際には体の中の水分は少しずつ減っているのです。「なんとなく飲んでいるつもり」でも、実際には必要な量に足りていないことも少なくありません。

自宅でできる脱水セルフチェック

脱水は、早めに気づくことが大切です。岡田先生に、自宅でも簡単にできるチェック方法を3つ教えていただきました。

1つ目は「手の甲チェック」。手の甲の皮膚を軽くつまみ、離した時に手の甲のしわがすぐ戻れば問題ありません。戻るまで3秒以上かかる場合は、脱水傾向の可能性があります。

2つ目は「爪押しチェック」です。爪を押して白くし、離したあとにピンク色へ戻るまで2秒以上かかる場合は、同じく脱水傾向の可能性があるのです。

そして3つ目は、「脇の下チェック」です。実は健康な体は、常に脇の下がしっとりしているもの。その脇の下がサラサラしているということは、水分が足りていない証拠になります。

また、
・めまい、立ちくらみ
・足がつる
・尿の色がお茶のように濃い
こうした症状も、脱水のサインです。

「脱水気味かも」と思ったら

セルフチェックで気になる症状があった場合は、速やかに水分を補給しましょう。まず目安とする摂取量は500mlです。一気に大量に飲むと、それ自体が体の負担になることもあります。無理なく、少しずつ飲みましょう。

そして、より効率的に水分を摂取できるのは「経口補水液」です。経口補水液は500mlのペットボトルでも販売されており、未開封であれば常温保存もできるため、もしもの時のために用意しておけると安心ですね。

脱水は、軽度と重度では全く別物です。重度になると、吐き気が強くなったり、熱が出たり、体に力が入らず意識がなくなることもあります。そうなると、いくら口から水分を摂っても間に合わず、救急搬送が必要となるので、そうなる前に、セルフチェックをしながら予防するよう心がけていきましょう。

大江戸江東クリニック
院長
岡田 章佑先生

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