「費用10万円」という葬儀サイトの広告を見て申し込んだところ、最終的にはその4倍もの金額を請求された――。こうした葬儀費用をめぐる相談が、国民生活センターに多数寄せられています。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。創業105年の葬儀社「株式会社大原セレモニーハート」の代表取締役・茂木圭吾さんにお話を伺いました。
節約志向が高まるなか、安価な料金を掲げる葬儀サイトを利用する人が増えています。しかし都内では、火葬費用だけでも約6万~9万円かかり、さらに、少なくとも棺代、搬送代、ドライアイス代、骨壺代、人件費などが必要です。つまり、10万円程度で故人を送り出すことは、現実的には難しいのです。葬儀を行わず火葬だけをする「直葬」の場合でも、最低20万円ほどはかかります。
こうした必要経費を知らず、細かな注意書きを見落として広告に表示された金額だけを見て依頼すると、実際の請求額との差が大きくなり、思わぬトラブルにつながることがあります。
知っておきたい葬儀サイトの仕組み
葬儀サイトの多くは、自社で葬儀を執り行うのではなく、提携先の葬儀社を紹介するサービスです。そのため、申し込み時点では、実際にどの会社が担当するのかわからないケースもあります。
当然、担当する会社によって経験や対応、サービスの質には差があります。だからこそ、料金だけで判断せず、
「実際にどこが施行するのか」「表示料金には何が含まれているのか」を事前に確認しておくことが重要です。また、サイト経由の場合は、葬儀費用の中に紹介料や中間マージンが上乗せされていることも少なくありません。
こうした仕組みを知らないまま依頼すると、「思っていた葬儀と違った」「もっときちんと選べばよかった」と、最後のお見送りに悔いが残ってしまうこともあるのです。
信頼できる葬儀社を選ぶ7つのポイント
できれば、亡くなった直後の悲しみのなかで慌てて葬儀社を探すのではなく、生前から、ご自分や家族の葬儀をどうするのか、どこに頼めば安心なのかを考え、決めておくことをおすすめします。
安心して任せられる葬儀社かどうかは、次のような点を目安にするとよいでしょう。
①創業年数が長く、地域での実績があるか
②江東区区民葬儀取扱指定店か
③明細付きの見積書を事前に出してくれるか
④追加費用が発生する条件を説明してくれるか
⑤単なる葬儀社を紹介するだけの会社ではないか
⑥24時間365日対応しているか
⑦事前相談・生前相談に応じてくれるか
そして何より、ご自分の目で葬儀社を確かめることが大切です。担当者と実際に会って話をし、葬儀に対する考え方や、誠実さ、丁寧さが感じられるかどうかも大きな判断材料になります。式場についても、写真だけでは雰囲気や清潔感までは十分にわかりません。可能であれば、一度見学しておくとよいでしょう。
また、葬儀のほか、葬儀後に必要になることなど幅広く対応している葬儀社の方が、何かと助かるという声も多く聞きます。
事前に葬儀社を決めておけば、相談から施行まで一貫して対応してもらえるので、ご本人や家族の希望も伝えやすくなります。そして最大の利点は、いざというときに葬儀社探しに追われることなく、故人とのお別れの時間を落ち着いて過ごせることです。
まずは、「どこの葬儀社が良いか」をご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

株式会社大原セレモニーハート
代表取締役
茂木 圭吾さん

