コロナ渦を経て、物の考え方や価値観も大きく変わってきました。様々な文化や宗教の違いがある中で、正解はそれぞれです。供養の在り方もまた様々で、近年増えてきているのが「墓じまい」。また、墓じまいをする際に、残ったご遺骨を海洋散骨にされるケースが増えています。
今回は、お位牌やお仏壇のご相談、海洋散骨のご相談やご対応をされている、供養の会社・株式会社メモリアルスタイルの西山悦子さんにお話をお聞きしました。
墓じまいや供養
代々、地方にお墓はあるが、東京に出てきて、地元にお墓を守ってくれる人がいないという地方出身の方。また、跡取りのいらっしゃらない方。そして、供養にかかる費用やお寺に掛かるお金を心配し、自分たちの代の後や子供たちに託すわけにはいかないなあ、とお悩みのご高齢の方が増えています。ご自身の代でお墓を閉じた時、そのご遺骨はどのようにしたらいいのでしょうか。
近年増えているのが、「海洋散骨」という供養の方法です。ご遺骨を粉骨(パウダー状に粉末化する)し、海に撒き埋葬します。お墓にいらっしゃるご先祖様を含めて、全て海に散骨し供養される方もいらっしゃいます。

法律的には大丈夫?
お墓の法律である「墓地埋葬法」の中に、散骨は含まれておらず、散骨を禁止する規程はありません。しかし、散骨を行う業者でマナーとルールを持ち、あくまでも葬送であるという考えのもと施行されます。海洋散骨が増える中で、業界や国でガイドラインや整備は出来つつあります。
海洋散骨の流れと場所
株式会社メモリアルスタイルには、三つのプランがあります。一つ目は、船を貸し切って行う個人散骨で、家族だけで散骨が行われるプランです。
二つ目が合同散骨。他のご家族様と乗合いとなり、散骨を行います。
三つ目は、乗船したいが体力の問題や事情があって乗船できない方のために、業者の方が成り代わって行う代行散骨です。船は、大江戸線勝どき駅から徒歩7〜8分の港、「朝潮小型船乗り場」から出航されるケースが多く、運河を渡り、ゲートブリッジの橋の先で散骨をします。その他、「葉山」や「江ノ島」、「横浜」などで散骨が行なわれています。
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お参りの方法
ご遺骨は海に還して自分の手元に無いが、手を合わせたい時はどうしたらいいのでしょうか?株式会社メモリアルスタイルでは、散骨をした後、お参りをしてお花を手向けたい方に、ご法要クルーズとしてご案内されています。合同散骨の日に同乗し、ほぼ同じ位の経度でお花を手向けることができます。「お花を手向けると心がとても安らぐ、とお客様は仰います。」と西山さん。また、目に見えるものとして、小さなお骨を一つ残しておいたり、ペンダントにお骨を納め身につけるなど、いつも亡くなった方をそばに感じられるようにできる「手元供養」も意味深いものです。

株式会社メモリアルスタイル
海洋散骨担当
西山 悦子さん