10月22日に行われるすまいる終活セミナー「知らないと怖い相続税」。サブタイトルで、『あなたの家庭、相続税は大丈夫ですか?』との問いに、気になった方も多いのではありませんか?
セミナーで講師を務める税理士 深川雄税理士事務所代表 深川 雄さんに伺いました。
法改正後、相続税の申告件数が約2倍に増加
ご存じの方が多いと思いますが、平成28年1月1日に相続税が改正され、5000万円+1000万円×法定相続人の数だった基礎控除額が、3000万円+600万円×法定相続人の数に引き下げられました。
この改定により、例えば、夫が亡くなり、相続人が妻と子ども2人の場合。改正前は、基礎控除が8000万円だったのが、改正後は4800万となってしまいました。
江東区内で不動産を持っている方が亡くなった場合、基礎控除額を越えてしまうことが多く、納税が必要な家庭は、約2倍に増えたと言われています。
相続税対策3つのポイント
生前に、できることはあるのでしょうか。
①小規模宅地等の特例を利用する
小規模宅地等の特例とは、相続した土地の評価額を最大80%減額できる制度です。
ただ、この制度は非常に要件が複雑です。うまく制度を活用できた場合は数百万円といった節税も可能ですが、一方で間違って適用した場合は、税務調査で厳しい指摘を受ける可能性もあります。専門家に相談しつつ慎重な判断が必要です。
②生前贈与を行う
年間110万円までは贈与しても税金がかかりません。この制度は、お子様等の相続人だけでなく、お孫さんやお世話になった方等、相続人以外の方へ贈与した場合にも適用されます。
但し、一度贈与してしまったものは、お子様でも返してほしいとは言いづらいものです。将来に不安がないように、ご自身の資産やこれからの人生設計を考えて行うことが大切です。
また、相続人への生前贈与の場合、亡くなる前3年以内の贈与は、贈与がなかったものとして相続財産に持ち戻されます。
③貯蓄は生命保険に回す
当面使うあてのない貯蓄があるなら、生命保険に回すのもひとつの方法です。遺族が受け取る生命保険の保険金は「500万円×法定相続人の数」までは税金がかからないため、被相続人が保険に入るだけで節税になります。
お元気なうちに、預貯金の整理を
この他に確認しておきたいのは、名義預金です。相続において、亡くなった方が配偶者や子ども、孫の名義で、財産を残しているものを名義預金といいます。家族名義の預貯金が、名義だけのもので、実際の所有者は亡くなった方であると判断されると、この預貯金は相続財産に含められ、相続税申告の対象となります。 また、結婚してからずっと専業主婦だった相続人が、数千万円もの預金をもっていたような場合、名義預金の疑いがあると判断されることもあります。
ご先祖から代々受け継がれた不動産や、ご自身が築き上げられた財産。できるだけ相続人に残したいと考えるのは当然の事です。
ご不安な事やご心配事がございましたら、お気軽にご相談ください。
アドバイス
税理士
深川雄税理士事務所 代表
深川 雄さん